認知症事故判決

認知症事故判決

2016年03月03日(木)7:00 午後

皆さん、こんばんは。
ブログ形式としては久しぶりとなります。

今日は、先日、新聞、ニュース等で報じられた認知症自事故判決についてです。

3月1日、認知症の男性が徘徊中に電車にはねられて死亡した事故をめぐり、家族が鉄道会社への損害賠償責任を負うかどうかが争われた裁判の判決がありました(最高裁第三小法廷判決平成28年3月1日)。

結論からいうと、今回のケースでは、家族は責任を負わないとなりました。

マスメディアを騒がした案件だっただけに、皆さんの関心も高いのではにでしょうか。

認知症の方の徘徊というのは、昨今の超高齢化社会では、もはや他人事ではなくなりました。
ご家族や知り合いの中に認知症の方がいる、という方もどんどん増えてきています。
そんな社会情勢の中での、事件だったので、なおさら関心も高まります。
 


さて、具体的に判決の中身を見てみましょう。

まず、民法714条本文は責任無能力者の監督義務者に損害賠償責任があると規定しています。
そして、但し書にて、監督義務者がその義務を怠らなかったときにはこの限りではないとしています。

今回の訴訟では、そもそも認知症であった者の妻と長男が監督義務者にあたるかどうかが問題となりました。
この点、裁判所は、保護者や成年後見人であるというだけでは監督義務者にあたらないとしました。

また、高裁で判示された民法752条の夫婦の協力・扶助義務を使っての監督義務者の認定もしませんでした。

ここで、妻と長男は監督義務者にあたらないとされました。

次に、最高裁は、責任無能力者との関係や日常生活での接触状況から、第三者への加害行為を防ぐために実際に監督しているなど、監督義務を引き受けたとみるべき特段の事情がある場合には、監督義務者に準ずる者として民法714条が類推適用され、賠償責任を問えるとしました。

この監督義務者に準ずる者かどうかの判断は、本人の生活や心身の状況に加え、責任無能力者との親族関係や同居の有無、介護の実態などを総合考慮して決めるとしました。

今回は、妻が85歳で要介護認定を受けている。長男は20年以上男性と同居しておらず、事故直前は週末に男性宅を訪ねるだけだった。このような状況では、監督義務者に準ずる者といえないとしました。


この判決の是非はいろいろあるところですが、皆さんはどう思いますか?

今回の事案では、妥当な結論だったという方が多いですかね。

この判決の注意点としては、今回はたまたま監督義務者にあたらないとされましたが、判示された判断基準に則り、監督義務者にあたるとされる場合も今後の事案では有り得るということです。

在宅介護で24時間目をきらさず、監督することはとても厳しいです。
そのような実態を踏まえ、実質的に監督義務者を判断しようという最高裁判決ではなかったでしょうか。

今後、介護される人もする人も増えていくなかで、考えさせられる判決でした。

では。



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行政書士名古屋森法務事務所
代表 行政書士 森 俊樹



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