相続の効力
皆さん、今晩は。
今日は、一日中雨でしたね。
今日は、14時から、愛知県行政書士会にて、介護保険等の研修会がありました。
成年後見制度とも関わりが深い分野ですので、ためになります。
さて、表題にも書きましたが、今日は相続の一般的効力について、お話しします。
まず、相続の一般的効力は、民法896条に規定されています。
「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。」
この条文は何を言っているのかというと、まず、皆さんが相続の時にイメージする、土地、建物、預貯金、貴金属、車などをすべて、亡くなった方のものが、相続人のものになりますよ、ということです。
「一切の権利義務」と規定されていますので、借金などの負の財産も当然に相続人が背負うことになります。
そこで、明らかに預貯金等の財産より、借金等の負の財産が多い場合は、相続放棄などをするわけです。
次に、ただし書きの説明をします。
ただし書きには、「被相続人の一身に専属したものは、この限りではない。」と規定されています。
先程言ったように、原則はすべての権利義務を相続人が受け継ぎます。
例外として、一身に専属したものは、相続人には受け継がれませんよ、ということです。
では、一身に専属したもの(一身専属権)とは何でしょう?
一身専属権とは、性質的に、相続人が受け継ぐことのできない権利義務のことです。
例えば、扶養請求権や委任契約上の権利義務、生活保護受給権などです。
具体的なケースを申しますと、ある人が生活保護を受けていて、亡くなったとします。その長男が相続人だとした場合、長男には生活保護受給権は相続されません。当然といえば、当然ですね。
親に対しての生活保護であるので、長男がその権利を相続することはありません。
以上、今日は、相続の一般的効力について説明しました。
やはり法律の条文は、一般の方が読むとわかりづらいかもしれません。
では。
行政書士名古屋森法務事務所
代表 行政書士 森 俊樹